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企画展示

Exhibition

小品セレクション

今回は、「パリ/欧州風景」と「日本の風景」の3号から8号までの小品の中から、まだご紹介していなかったものを集めてみました。

■パリ/欧州風景

各画像はクリックで拡大できます

■日本の風景

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■画家の作品を系統的に見てみると、同じ構図の作品が様々な号数に渡って存在する場合と、そうでない場合があることが分かります。西村俊郎は写真をもとにして作品をつくることは一切しませんでしたので、風景画や競走馬の絵はすべて、持ち運べる大きさのキャンバスに現地で仕上げていました。それを大きい作品に引き延ばす場合は、現地で仕上げた絵に先ず桝目を付けて相似形の下絵を描く作業をアトリエでしていました。私はその作業を見て妙に感心したことを覚えています。今回、「小品セレクション」として選んだ作品の中には、すでにご紹介した絵の号数違いが何点か含まれています。
因みに、西村俊郎の全作品の中で、号数違いの作品が一番多かった構図は、パリのシテ島先端の公園から下流方向を眺めたもので、多くの場合、ただ「セーヌ川」というタイトルが付けられていますが、それらは僅かずつですが構図に違いが見られます。画家のエッセイ(「私の絵画ノート」)の中に「ときには、画面の美の構成のために実景にはないものを加えたり省略したりすることもある」という記述がありますが、今回ご紹介した「セーヌ川」(F6号)では、一番手前に見えるはずのポンデザール(Pont des Arts、芸術橋)が描かれていません。しかし、その理由は不明です。

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